シームテープの効能と問題点

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シームテープの効能

たとえどれだけ防水性(耐水圧)や透湿性の高い生地を使っても、レインウェアの縫製時に必ず穴が開きます。

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縫製部分にできた針穴から水が浸入してしまうため、ちゃんとしたレインウェアの縫製部分の裏側にはシームテープにより、針穴がふさがれています。

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このシームテープにより、完全防水を達成できるのです。

 

このありがたいシームテープの活躍ですが、多少問題点があります。

 

シームテープの問題点

レインウェアの縫製部分に張り巡らされたシームテープ。

この防水性を向上させてくれるシームテープにはいくつか問題点があります。

  • シームテープ部分は生地が2重以上重なるため、ウェア全体が重くなり、硬さが出るのでゴワ付く
  • シームテープには透湿性が無い
  • シームテープを貼った部分の耐水圧が防水透湿素材の耐水圧より小さいことがある

 

ウェア全体が重くなり、硬さが出るのでゴワ付く

下のシームテープの写真を見ると、シームテープの真ん中が少し盛り上がっています。

IMGP3979.jpg

それは、縫製の縫い代も含めて生地が重なっているためです。

このウェアのシームテープの使用量が増えると、その分生地が重なるためウェア自体にバリバリとした硬さが出てきます。

そして、シームテープ自体の重量が増えると当然、ウェア全体の重量が増えてきます

 

シームテープには透湿性が無い

そして、シームテープには透湿性がまったく無いというのも問題点です。

多くの防水透湿素材はこぞって「透湿性13000(g/m^2/24hrs)」などと書かれていますが、それは生地だけのお話。

レインジャケットやパンツ全体で見ると、必ずシームテープが使用されているため、その部分は透湿性ゼロとなってしまいます。

シームテープを多用すればするほど、防水透湿素材の性能を阻害することになります。

そのため、シームテープの目止め効果を損なうことなく、使用量を減らすようにメーカーは開発しています。

透湿性に関して詳しくはこちら

 

シームテープを貼った部分の耐水圧が低い

ゴアテックスなど防水透湿素材には「耐水圧45,000mm」など、どの程度の水圧に耐えられるか書かれています。

ただそれは生地だけのお話です。

生地と生地との縫い合わせ部分にシームテープを貼った場合、その耐水圧は防水透湿素材よりも低くなることが多いです。

ただ、ちゃんとしたレインウェアメーカーはそのことを良く理解しているため、強い耐水圧のかかる部分に縫製部分を作らないようにレインウェアを作っています

強い耐水圧のかかる部分として

  • 首と肩の間 ⇒ ザックを背負ったときにショルダーベルトがあたる
  • ひじ ⇒ 濡れた場所にひじをついた場合、局所的にすごい耐水圧がかかる
  • お尻 ⇒ 濡れた場所にお尻を乗せるとかなりの体重がかかる
  • ひざ ⇒ 濡れた場所にひざをついた場合、ものすごい耐水圧が生地にかかる。ほぼ体重が乗るため単位面積あたりの負荷が非常に高い

などがあります。(耐水圧に関して詳しくはこちら

シームテープを貼った部分の耐水圧は、製品により異なるようですが、まともなメーカーが作ったものであればそれほど漏水の心配をする必要は無いと思います。

なによりレインウェアを良く見ると、こういった部分にシームテープを使用しないように考えて設計されていることが良くわかります。

 

シームテープが違う!?

値段の手ごろなレインウェアと、高価なレインウェアとでは、使われているシームテープの太さが違います。

2つの異なるウェアの裏側を見てみましょう。

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  • 上のウェア:ゴアテックスプロシェルを使用したアルパインウェア(約3.5万円)
  • 下のウェア:モンベル ハイドロブリーズを使用したレインウェア(約1万円)

写真を見てわかるように、シームテープの幅が異なります。

実はハイエンドのウェアには、単純な防水透湿素材の違いだけでなく、シームテープの使用量や縫製技術が大きく異なっています。

う~ん、レインウェアって奥が深いですね~!

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